観光鍾乳洞は、名前に大の字を付けことが多いのですが、なんともしょぼいなんちゃって鍾乳洞らしいのが、大鍾乳洞になっていたりすると、何ともはやです。もっとも、小鍾乳洞とか、只の鍾乳洞では、お客さんを呼べません。
しかし、飛騨大鍾乳洞は、大の字を付けての良いのかなと思います。公開部分800メートル、未公開部分1000メートル。見学時間は洞内40分を見ておく必要があります。
ここは日本で一番高い標高900メートルにある観光鍾乳洞で、海百合などの化石が多く発見され、以前は海の底だったそうです。何となくすごいです。ここは飛騨の山の中の標高900メートルなのですよね。
ちなみに海百合とは、海辺に咲く百合ではなく、ヒトデやウニの仲間の海の動物で、生きている化石と言われます。うん、生きている化石の化石があるのですよね。ややこしい。
とりあえず、行って見ましょう。
こちらです。大橋コレクション館とあるのは、鍾乳洞を発見整備した大橋外吉氏が私財を投じて集めた内外の美術品などを約1000点展示してあります。鍾乳洞に付属していて、一緒に見学出来ますが、これが又すごいので、ゆっくり見られることをお奨めします。
駐車場を挟んで、鍾乳洞の反対側には、お土産屋さんや食堂などが並んでいます。まるでドライブインのようです。
そうそう、写真の中央のその名も鍾乳堂の飛騨牛コロッケ(100円)は美味しいですよ。
このドライブインのようなお店の並びに、鉱物や銘石を展示(おそらく販売)しているところがありますので、見てみます。
ここは誰でも入れる感じで展示していますが、販売をしている感じもあります。価格は相談と言う事なのでしょう。メノウの塊とかすごいものが並んでいます。
大きな紫水晶クラスターです。こんなものを床の間とか、玄関に飾れるような身分になりたいものです。
鍾乳石です。購入すると、1ついくらでしょう。想像も出来ない値段でしょうか。あるいは数万円ぐらいで買えるものなのでしょうか。
大きな水晶とか、メノウとかは高いでしょうね。
日本一宿儺鍋
鍾乳洞や大橋コレクション館に向かうと、まず目に入ってくるのが、これです。
なんですか、このでかい鍋は。鍾乳洞に関係があるのでしょうか。
宿儺は「すくな」と読むようです。両面宿儺とも言い、日本書紀に描かれた鬼神のことらしいです。
日本書紀では賊なのですが、ここ飛騨から美濃にかけては多くの伝承が残っていて、信仰の対象でもあったようです。
一体に二面、4本の手の鬼神ですが、この地域のために朝廷に逆らった実在の人物なのかも知れません。
この両面宿儺を祀った、高山市丹生川町で毎年11月にある「飛騨にゅうかわ宿儺(すくな)まつり」の呼び物だった、地元産の野菜を煮込んで振る舞う「日本一宿儺鍋」が、かまどの老朽化で使用を止め、その後、寄贈を受けてここに展示しているようです。
とにかく、鍾乳洞とは、直接的には関係がありませんが、実際に使えるこの鉄鍋の迫力はすごいですので、見て下さいね。
大橋コレクション館
建物の三階と四階に、世界の美術品や骨董品などを展示しているのが大橋コレクション館です。
ここを通っていかないと鍾乳洞に入っていけないようになっていますので、強制的に見学させる自己満足の展示品かなみたいな感じに思うかも知れませんが、これがすごいのです。
入場券は鍾乳洞と共通なのですが、この展示品だけで価値がある、いえ、鍾乳洞より価値があるのでは無いでしょうか。意外なところに意外なコレクションがあるという感じですよ。
この大橋コレクション館で有名な事件に、金塊盗難事件があります。
100㎏の金塊を見学者にさわらせるという事をしていたのですが、白昼堂々と4人組の男に強奪されるという事件が起こりました。やがて犯人の3人が捕まり、一部が売却された71㎏のほどの金塊がばらばらの状態で戻ってきたのです。
このばらばらの金塊が展示品の1つとして飾られています。
残念ながら、この金塊は撮影禁止になっていましたので、パンフレットからスキャンしてお見せします。
ばらばらにはなっていますが、ばらばらになってこそ際立つゴールド(71㎏、執筆時の時価3億円以上)の輝きは、この画像からは分かりませんので、ぜひ訪れられることをお奨めしますね。
さて、大橋コレクション館の神髄は、この金塊ではありません。
いくつかの美術展示品に撮影禁止の表示がありましたので、その他のものは撮影しても良いという認識で撮っていますが、微妙な感じもしましたので、ごく一部の撮影しかしていません。訪れられてよくご覧下さい。
大きなもので約1000点、小さなものも合わせると3000点になるようです。中東から中国あたりの美術品、骨董品が多いようです。
これはヒスイとメノウで作られています。もっと大きなものもありました。
中でもユニコーンと間違われていた、イッカクの牙の骨。それもものすごく珍しい異種体の二本の牙のニカクというのでしょうかの牙が展示してあります。イッカクの牙自体が貴重で3百万以上するものですし、学術的な価値も含めると、見学する価値は高いですよ。
他にもかなり迫力のあるものや、下賤な話ですが、これ1つで何百万(もしかすると何千万)はするだろうな、と言うようなものがいくつも並んでいます。大橋外吉氏は、海外を股に掛けて活躍した地元の実業家で、チェーンソーのカバーで巨万の富を築いた方らしいですので、このようなコレクションを日本の地に作れたのだろうと思います。
飛騨大鍾乳洞
大橋コレクション館のある建物から、横断歩道のように、渡り廊下のように通路が山の中腹に伸びています。
鍾乳洞は、大きく3つの洞に別れています。第一洞、第二洞、第三洞の最後にそれぞれ出口があり。進むにつれて険しくなりますので、足腰が弱い方は、途中で外に出ることが出来るようになっています。
おそらくほとんどの方が問題はないものと思いますが、特に足腰の弱いお年寄りの方は、第一出口で、体力が極端にない方は、第二出口で出ることをお奨めします。質問はしませんでしたが、車椅子の方は、第一洞がかろうじて見学できるぐらいだと思います。
ここが入り口です。扉を開けて入ると、まず空気が別世界です。一年を通して10℃前後です。夏は気持ちよいです。
写真では分かりにくいですが、確かに海百合の化石があり、三億年前は海の底であったことが分かります。
ちなみに説明を既にしていますが、海百合とはヒトデやウニの仲間で、古生代から繁殖した生きている化石と呼ばれる海の動物です。つまり、これが生きている化石の化石です。かなりしつこい。
飛騨大鍾乳洞はこのように赤や青や緑の毒々しい照明に照らされていますが、これは奇をてらったものでも、イルミネーションの為でもありません。藻の発生を防ぐためのものです。
鍾乳石には、様々な名前が付けられていますが、全部微妙な感じですね。
以下、フラッシュを焚いて撮りますので、色がなくなりますが、肉眼で見れば、全体的に色々な色で照明されています。
恵比寿と大黒と名付けられています。そう思えば、見えなくもないのですが、やはり微妙ですね。
第三洞のところは、かなりきつくなります。少し息が切れるかも知れません。歩き慣れていない方は、第二出口で外に出ましょう。
鍾乳洞の終わりは、第三出口になります。この出口のところに神社があり、ご神体はこちらです。
外に出ると、いつの間にか、びっくりするぐらい登ってきています。洞内プチ登山です。
洞内温度が10℃でなければ、特に最後の登りはかなり汗をかいていると思います。
さて、ここを下ると、大橋コレクション館の下の園地に出ます。
ちょっとした園地には、岩魚とニジマスが泳いでいます。美味しそうですねえ。
近くの売店で岩魚の塩焼きを売っていましたが、まさか、君たち?じゃないよね。
水車も回っていますが、動かしているのは、鍾乳洞から流れ出る水みたいです。
飲めますと書いてある流れ出る水があります。湧き水ですね。同じ鍾乳洞の水だと思います。
特にカップはありませんので、手ですくって飲むと、あれ、とても美味しい。軽い運動をした後ですから、そう感じるだけなのかも知れませんが、久しぶりの美味しい水だと思いました。
行かれた方は、素通りはもったいないですよ。
日本の主な観光鍾乳洞
こちらは、飛騨大鍾乳洞に説明看板がありました、日本の主な観光鍾乳洞です。
大小合わせると80カ所らしいですが、ここに載っている主な観光鍾乳洞ぐらいは行ってみたいと思われる方もいるでしょうから、ここに資料として掲載しておきます。
飛騨大鍾乳洞と大橋コレクション館の観光案内
飛騨大鍾乳洞観光株式会社 → WEBサイト(割引券WEBにあり)
〒506-2256
岐阜県高山市丹生川町日面1147
TEL 0577-79-2211
FAX 0577-79-2643
入場料 大人1100円 小中学生550円
営業時間(年中無休)
4月から10月 8:00~17:00 (閉館17:30)
11月から3月 9:00~16:00 (閉館16:30)
駐車場 無料 (感覚で100台分はあります)
宿泊案内
高山市街地から車で30分。奥飛騨温泉郷の平湯温泉から同じく30分ぐらいなので、高山市内又は、奥飛騨温泉郷のどこかに宿泊、または宿泊のついでの観光をお奨めします。
奥飛騨温泉郷へ。
お奨めの宿
奥飛騨温泉郷
匠の宿 深山桜庵
奥飛騨温泉郷 花ごころ万喜(ばんき)
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