宇治橋

神社本庁によれば、単に「神宮」といえば、伊勢の神宮を示す正式名称です。
ただし、他の神宮との混同を避ける意味で伊勢神宮と呼ばれますが、別格の社格と言えます。

内宮は天照大御神(あまてらすおおみかみ:天照大神とも表記)をお祀りしているところで、日本の聖地とも呼べます。
天照大御神は伊弉諾尊の左目から生まれた女神で、太陽神です。ご神体は三種の神器の八咫鏡となります。皇祖神にして日本国民の総氏神であるとされます。

外宮については、外宮をご覧下さい。伊勢参りのコースについても外宮のページで解説しています。

内宮(皇大神宮:こうたいじんぐう)

伊勢参りの過去

一生に1度はお伊勢さんにお詣りすることが庶民の夢とされ、伊勢講(いせこう)と呼ばれる、お金を出し合って代表者を参拝させる組織もありました。
抜け参りという、働き先の主人や家族に無断で何もかも投げ捨てて伊勢参りに行くという風習もあり、伊勢参りであれば大抵のことは許されると言う風潮もありました。

自分の代わりに参拝させる「おかげ犬」まで現れていました。
住所と餌代等のお金がしめ縄で首に提げられていて、おかげ犬であれば、道中の人々は援助しもてなし、参拝させたという、どこまで信じてよいのかと言う様な史実もあります。
※現在ではペットの参拝は出来ません。

おかげ参りという、突発的な集団参拝の社会現象も何度も起こりました。
神宮大麻が降ってきたなどの噂話が発端だったということですが、1度おかげ参りの現象が起こると、数ヶ月で何百万人もの人が伊勢参りに向かったこともあったと言う話です。
伊勢参りであれば(自己申告も含めて証拠を示せば)関所もフリーパス状態で、普段の旅行もまま成らなかった社会状況も一因だったのでしょう。

さて、と言う事で、自由な現代の喜びをかみしめながら、お詣りしましょうか。

内宮の参拝

駐車場は、宇治橋の入り口近辺に三カ所ほどありますが、閑散期の平日でないと、かなりの行列になると思って置いた方が良いでしょう。
おはらい町の向こう側の市営駐車場に駐めて、おはらい町通りを歩く事にしたほうが無難です。

参拝の後、おはらい町も見学したいところですので、神宮のそばに駐めて、参拝の後、おはらい町を往復する事と、おはらい町の向こう側に駐めて、おはらい町を往復して参拝する事は、実は同じ歩行距離なのです。おはらい町のページ

また、参道は約1㎞あります。
おそらく長さを感じさせないと思いますが、車椅子の方を連れていると砂利道でもあり無理ですので、電動の車椅子をお借りしましょう。
普通の車椅子も貸して貰えますが、電動をお奨めします。
内宮宇治橋の前の衛士の詰め所にあります。外宮でも同じ物を貸して貰えます。
操作は簡単です。レバーを前に倒すと前に進み、後ろに倒すとバックします。右に倒すと右に、左に倒すと左にカーブします。

しかし、もし操作に迷った時は、構わず手を離してください。怖いと思ったら手を離す、これだけです。
車椅子がどこかに行ってしまうと言うことはなく、ブレーキが掛かって、その場に止まります。

お賽銭は不可

伊勢神宮は特別なお宮ですので「私幣禁断」ということで、正宮(内宮・外宮)では、お賽銭は不浄なものとして、禁止になっています。
布が敷いてあるのは不浄なものから神域を守るためで、お賽銭を受けるためではありません。
お守りやお飾りやその他の購入など、あるいはお賽銭箱の置いてある他の所管社などで纏めてしましょう。

宇治橋

宇治橋

この宇治橋からが境内です。
冬至の日にはこの鳥居の真ん中から朝日が昇ります。

また、写真の左側の二番目の欄干にかぶせてある、擬宝珠(ぎぼし)ですが、鳥居の柱のすぐ横にかろうじて見えていますね。
この擬宝珠の中に、宇治橋の守り神の饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)のお神札の万度麻(まんどぬさ)が治められています。
宇治橋(内宮)は右側通行ですので、帰りに触れることが出来ます。
宇治橋の安全と、参拝者の安全を祈願しているとのことです。忘れないように触れて帰りましょう。

宇治橋

数えて三枚目の板ですが、踏むと金運が付くと言われたりします。
先ほどの擬宝珠がこの板に触れていますし、擬宝珠に触れると、足がこの板を踏んでいるという理由に寄るそうです。こちらのほうは根拠のない噂ですが、話の種にどうぞ。

式年遷宮と言うものがありますが、この宇治橋も20年に一度、建て替えられます。
こちらはしきたりと言うことではなく、参拝者によって、20年の間に橋の15センチの板が約半分にすり減ってしまうという、耐用年数のためです。
以前は式年遷宮と共に建て替えられていましたが、終戦後に資金不足で式年遷宮が4年遅れた時期があり、今では式年遷宮の4年前に建て替えられるスケジュールになっています。

宇治橋

宇治橋の上流側を見ています。
不思議な形の杭がありますが、木除杭(きよけぐい)と言い、洪水の時などに流れてくる流木の勢いを一端受け止める物です。

御手洗場

御手洗場

手水場を越えたあたりに御手洗場(みたらしば)があります。

みたらし場
増水時。

テレビなどで、新年に白装束の男女がここで禊ぎをして身を清めてから参拝をするところが放映されたりしますが、手水場と同じように手を清めることも出来ます。
水量が少ない時期に、かがみ込みすぎて落ちないようにしてくださいね。落ちても浅いですが、素直に膝を付くことをお奨めします。

滝祭神

滝祭大神

御手洗場の直ぐ側に、滝祭大神が鎮座されています。所管社です。

風日祈宮

風日祈宮参道

神楽殿のあたりを右に進むと、別宮、風日祈宮(かざひのみのみや)へ向かう参道があります。
正宮を先にお詣りすべきですが、紹介だけ先にしたいと思います。

風日祈宮

この参道の先に、風日祈宮橋があり、その橋を渡るとすぐに、風日祈宮があります。

風日祈宮ご祭神は外宮の風宮と同じ、級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸辺命(しなとべのみこと)です。

風日祈宮

毎年5月14日と8月4日の2度、風雨の災害が無いよう、また五穀が豊かに実ることを祈願する風日祈祭が行われるそうです。

正宮

正宮

 

まだ見どころがありますが、後で紹介します。
ここが正宮の石段前です。写真で見えているのは下り専用の石段です。奧に登りの石段があります。

内宮

実は参道はまだ奧に延びていますが、柵で閉鎖されています。しめ縄ではないので、結界ではなく、立ち入り禁止の柵でしょう。
神宮はその背後の山も含めての神域ですので、保守や作業、儀式用の通路として伸びているものだと思われます。

正宮

正宮、皇大神宮です。
写真撮影は石段に入ってから禁止されています。石段の下までです。

また、最初にも書きましたが、正宮(内宮・外宮)では、お賽銭は不浄なものとして、禁止になっています。
布が敷いてあるのは不浄なものから神域を守るためでお賽銭を受けるためではありません。投げ入れる方も見えますが、もってのほかです。
お札やお守りやお飾りやその他の購入、あるいはお賽銭箱の置いてある他の社で纏めて多めにしましょう。

石段下から望遠で撮影しています。
ぜひご参拝されて石段を上がって下さい。

この石段は登り専用です。参拝して正宮の左のほうへ抜けると下りの石段があります。
石段を降りて、右に行くと、別宮、荒祭宮へ行けます。

荒祭宮

荒祭宮

御稲御倉(みしねのみくら)や外幣殿(げへいでん)のそばを通り、正宮の敷地の後ろを少しかすめる感じで行く通路もあります。

 

荒祭宮

こちらが、荒祭宮(あらまつりのみや)です。天照大御神の荒魂を祀っています。
荒魂の説明は外宮の多賀宮のところにあります。

お願い事について

内宮は天下国家や日本人すべてなどを守る神宮で聖地ですから、内宮では個人的なお願いは不可とされます。
お願いでは無く、感謝をささげるところです。
おかげ参りと言うのは、すべておかげさまですと言う感謝を伝えるために参拝したものです。

しかし、この荒祭宮では個人的なお願いも良いとされます。

それは間違いです。収拾が付かないので別宮ならよしとした物だと思われます。
古神道では、個人的な願いは欲望であり、穢れです。
神社は、すべからず感謝をささげる所で、個人的なお願い事をするところではありません。

ではどこでお願いをすればよいのか。実は、お願いをする必要はありません。

神様はあなたの望みは、すべてお見通しです。
神社ですべきなのは、参拝し、感謝をし、そして、場合によっては、決意を伝えます。

必要に応じて、その決意を後押しして貰えるものなのです。

四至神

四至神

四至神(みやのめぐりのかみ)、内宮神域の守り神です。
神楽殿と正宮の間の参道に鎮座します。四至神は外宮にもあります。

外宮の三ツ石と同じく、社殿を持たない神様ですので、二拝、二拍手、一拝でお詣りします。
手をかざしたりする人がいますが、不敬になります。

内宮 参拝案内

御祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)

三重県伊勢市宇治館町1 → HP

問い合わせ先
神宮司庁
〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
電話(代表) : 0596-24-1111(午前8時30分~午後4時30分)
Fax: 0596-27-0520

宿泊

伊勢・二見の宿へ
お奨めは、鳥羽観光と組み合わせて、鳥羽の宿へ、または、志摩や賢島まで足を伸ばして、志摩・賢島の宿へ。

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