倭姫宮

倭姫命(やまとひめのみこと)は、古墳時代以前の皇族で、第11代垂仁(すいにん)天皇の第4皇女で、いわゆる霊力を持った巫女でした。
この倭姫命が重要な役目を果たします。また、日本武尊(やまとたけるのみこと)の叔母にあたる人物です。

天照大御神の伊勢に至る巡歴

伊勢内宮がこの地に祀られる以前の話です。
天照大御神のご神意があまりに強すぎ、皇居内に祀ることが出来なくなっていました。
そこで、第10代崇神天皇(すじんてんのう:実在がほぼ証明されている最古の天皇)の命により、皇女であり、巫女である豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)が皇室外で祀ることになります。

豊鍬入姫命は、鎮座地を求めて様々地を巡歴していました。しかし、霊威の強さ故に相応しい鎮座地が見つかりませんでした。

この巡歴を御杖代(みつえしろ)として、引き継いだのが倭姫命です。
御杖代とは杖替わりになると言う意味ですが、依り代として神が降臨してくるという意味もあったと思います。

倭姫命も鎮座地を求めて、巡歴の旅を続けることになります。
ちなみに一時的に祀られた、いくつもの神社を元伊勢と言います。

最終的に倭姫命が鎮座地を求める旅の過程で、伊勢の地を訪れた時に、ご神託が下ります。

日本書紀の原文ではこうです。
「是神風伊勢国則常世之浪重浪帰国也、傍国可怜国也。欲居是国。」
読み下すと、「この神風の伊勢の国は常世の浪重浪寄する国なり。傍国(かたくに)の可怜国(うましくに)なり。この国に居らむと欲(おも)ふ。」

要するに、「この神風吹くの伊勢国は、常世の波がしきりに打ち寄せる国である。大和の傍(かたわ)らにある国で、美しい良い国である。この国におりたいと思う」と言う感じです。

ちなみに、観光的にはうまし国は、美味しい物がある国みたいな解釈もありますが、要するに良い風や良い波が打ち寄せる自然豊かな良い国と言う事ですね。

倭姫宮

巡歴の大まかなお話はこれ終わりです。
この倭姫命は数々の重要な役目を果たし、逸話も多いのですが、倭姫命を祀った神社は長らくありませんでした。

しかし、明治時代になってから、建立すべしと言う民間運動が盛り上がり、1921年(大正10年)に創建になっています。
この地(倉田山)に創建したのは、倭姫命の陵墓とする伝承される尾上御陵(おべごりょう)と呼ばれる小さな古墳があったからです。

倭姫宮

周辺の案内図です。

倭姫宮

側に、神宮徴古館・農業館、神宮美術館の入り口があります。

参拝駐車場は無料で、神宮徴古館の向かいにありますが、4台分(一台分身障者用)しかありません。
しかし、神宮徴古館の駐車場(無料)が使えます。トイレもそこにあります。
※車椅子の方は、神宮徴古館の側の入り口から参拝してください。表参道にはきつい階段があります。

倭姫宮

こちらが表参道です。

倭姫宮

夜間は参拝は停止と書いてありますので、ご注意下さい。

倭姫宮

参道は厳かで少し鬱蒼としています。

倭姫宮

自然石を組み合わせた石段です。この上に社殿があります。

倭姫宮

すごい根っこですね。

倭姫宮

境内です。
左手に手水場がありますね。

倭姫宮

お宮です。

倭姫宮

静けさと優しさに溢れているお社でした。
古殿地もありましたね。

倭姫命の御教え

倭姫命御杖代奉賛会のWEBサイトに、倭姫命の御教えなるものが書かれていました。
「倭姫命世記」の中の一部です。

倭姫命の御教え

人は天下の神物なり。心神を傷ましむことなかれ。
神は垂るるに祈祷をもって先となし、冥は加うるに正直をもって本となせり。
神を祭るの礼は、清浄をもって先となし、真信をもって宗となす。

黒心なくして、丹心をもちて、清く潔く斎り慎しみ、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし右を右とし、左に帰り右に回る事も、万事違う事なくして、大神に仕え奉る。
元を元とし、本を本とする故なり。

あまり読み取れて無いかも知れませんが、なかなか含蓄があります。
こういった想いや哲学で大神を祀り、巡礼をしていたのだと感じ入ります。

倭姫宮の小冊子

倭姫宮パンフレット

倭姫宮パンフレット

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倭姫宮の観光案内

倭姫宮 → WEBページ → 倭姫命御杖代奉賛会WEBサイト
〒516-0014
三重県伊勢市楠部町5
TEL :0596-24-1111

神宮の博物館 → WEBサイト
〒516-0016
三重県伊勢市神田久志本町1754-1
神宮徴古館・農業館
TEL :0596-22-1700
FAX:0596-22-5515
神宮美術館
TEL :0596-22-5533
FAX:0596-22-5544

駐車場は、神宮徴古館の向かいに4台分(一台身障者用)、神宮徴古館の駐車場も利用可、無料。
※身障者の方は、神宮徴古館の側の入り口から参拝してください。車椅子の方も近くまでいけます。表参道にはきつい階段があります。

宿泊案内

伊勢・二見の宿へ
お奨めは、鳥羽観光と組み合わせて、鳥羽の宿へ、または、志摩や賢島まで足を伸ばして、志摩・賢島の宿へ。

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