天竜寺は、臨済宗天龍寺派大本山のお寺で、京都の禅寺の京都五山の第一位とされています。
かつては亀山公園なども含め、嵯峨野の中に1000ヘクタールほどの広大な敷地を有していたそうです。
庭園の設計でも有名な夢窓疎石(むそうそせき)に開山されました。そして、何よりも、この庭園は、国の特別名勝、及び世界遺産になっていることで知られていますね。
天龍寺参道
さて、この天竜寺と、天竜寺の庭園を参拝、散策してみましょう。渡月橋から歩いて5分位のところにあります。
天竜寺の正面です。駐車場への入り口もここです。
こちらから入っていってもよろしいと思いますが、別に門と参道があります。
これが総門でしょうか。大きな寺院にしては、いやに小さいと言うのが印象です。まさか、勝手口ではないでしょうね。
しかし、入って直ぐの十数メートル左に、大きな門がありました。
閉鎖されていますね。かなりの年代を感じさせます。こちらは境内から見ています。
古い立て札は読めませんが、たき火、たばこ禁止と書いてある消防署の署名のある左の立て札には、中門とあります。
パンフレットなどにも記載がありませんので、本当のことは分かりませんが、おそらく昔からの本当の門だと思われます。
表からこの位置を見ると、木の生い茂る茂みになっています。
この門に面しているのが、柵があって通れませんが、古い参道と思われます。向こうに石橋が見えますが、蓮の池があります。
その向こうは、アスファルトの道になって続いていますので、古い参道が一部残っているという事なのでしょうか。
蓮が生い茂っています。この池を橋が渡っています。もちろん、今では通れません。
天龍寺の前庭です。中を古い参道だったらしいアスファルトの道が走っています。こういう庭の中を昔の参道が通っていたことが分かります。
現在の参道の横には、色々なお寺が並んでいます。
子院150寺を数えたということですので、昔から本堂の近くにあったお寺でしょうか。こちらは弁天様と思われます。
こちらは、子院の土塀です。右に土塀、左に前庭を見ながら進みます。
天龍寺の雲龍図
ほどなく法堂に付きます。
ありました、ありました、雲龍図の特別公開です。と言っても、土日祝日は公開しています。その他に春夏秋と平日公開の期間があります。
もちろん、前の物は傷みが激しく、平成9年に日本画家の加山又造画伯によって画き直された傑作ですね。
八方睨みの龍は色々な方が昔から画かれ、迫力がありますからね、何度も見て置きたいものです。
もちろん、写真撮影禁止ですので、パンフレットから転載しておきます。
天井に画かれ、たしかにどこから見ても、こちらを見ているように見えます。
ドラゴンボールの神龍を思い出しましたが、こんな事を言うと顰蹙(ひんしゅく)ものですね。
いえ、ドラゴンボールがこれをイメージしているのかも知れません。
天龍寺拝観と庭園鑑賞
さて、本堂に向かいます。
天龍寺と言えば、曹源池庭園です。天龍寺庭園が正式名称でしょうか。
本堂は、拝観料500円。庭園は500円。両方なら600円です。うん、両方で決まりですね。絶妙です。これが700円だと、少し考えちゃいます。
庭園を見れば良いという方も、100円足して両方見て下さい。本堂から見る庭園がまた一段と良いのです。それに、本堂に入らないと見られない部分もあります。
玄関に鎮座まします、ど迫力の達磨図です。雲龍図も有名ですが、この天龍寺の達磨図も有名ですね。
もちろん、禅宗の開祖、達磨大師を画いた物です。マグマ大師ではないですよ。
大きな目玉でぎょろりと睨んでいますが、ユーモラスにも見えますね。達磨大師はインドの人なのですが、たまにこんな顔の人、日本にもいそうですね。
巨大な木魚とかありますね。ここは、大方丈の座敷です。
パンフレットには、大方丈をメインホールとしてありました。確かにそうですが、なにか違いますよね。
大きなふすま絵がありました。雲龍図です。これも少しユーモラスですが、ど迫力で素晴らしいですね。
江戸中期の京都出身の絵師で、強烈に個性的な作品を描いていたことで有名な曾我蕭白(そがしょうはく)の作です。
でもこの雲龍図は、ボストン美術館にあるのですよね。、、、やはり複製と説明がありました。
実は、これはキャノンの高精細複製技術で作った複製画なのです。
本物にしては、厳重保管していないなあ、でも、本物かなと思いましたね。
どう言う経路でボストン美術館に渡ったのか分かりませんが、そういう日本の宝物が他にも多いですよね。今日本にあれば、間違いなく国宝で残念です。流出してしまった作品は、このように、せめて複製でも日本に存在して欲しいですね。
では、気を取り直して、それに負けず劣らずの素晴らしい絵画をお見せしましょう。こちらです。はい、曹源池庭園(そうげんちていえん)です。
座敷から見た庭園ですが、座敷の中には入れませんので、反対側から望遠で撮っています。紅葉の時期なら、紅色の絵の具で塗り尽くされているのでしょう。
こちらが本堂から見える曹源池庭園です。もちろん奥の方は見えませんが、多くの方が縁側に腰を掛けていつまでも眺めています。
曹源池という名前の由来ですが、夢窓国師が池の泥を浚ったときに、池の中から「曹源一滴」と記された石碑が現れたことによります。
「曹源一滴」とは、「一滴の水は命の水であり、あらゆる物の根源」という意味だそうです。
うーん、深いです。できすぎた話ですが、庭園を造った開祖夢窓疎石氏が池の中に偲ばせて置いたものかも知れませんね。これもまた感慨深い物です。
さて、本堂から見る庭園を見たら、多宝殿に向かいます。
廊下を通り、渡り廊下を行きます。ぜひ庭園を見ながら歩いて下さいね。
祥雲閣と言う、茶室らしいです。川に見立てた水の流れがありますね。大堤川と書いてあります。
大堤川とは、桂川の上流の保津川のさらに又、上流の川の名称です。
こちらが多宝殿の中です。ふすま絵がみごとですね。写経をされている方が見えますので、お静かに。
天龍寺の曹源池庭園散策
さて、今度は、実際に庭を散策してみましょう。
先ほどの達磨さんのある玄関を出て、庭に回ります。
曹源池のほとりです。庭園はこの池の周りの池泉回遊式庭園ですが、池の周りにあるという感じではなく、ものすごく広いですよ。
苔むした庭園を散策していると癒されます。日本庭園の良さですね。嵐山や亀山と一体化していて、日本庭園を言うのは、その地に溶け込んでいるのですよね。
小さな水路、水の流れと小さな池です。
この庭園の見どころは、曹源池だけではありません。室町時代の日本庭園の様式がそのまま残っています。
実は本堂の近くあたりのこの庭園の中の隅のほうに、天龍寺の直営の精進料理店があります。
お値段はそれなりにしますが、庭園の中で食べると、特に美味しそうです。
池の中には、蛙さんの陶器がありますね。お寺なので、美しい観音様がいらっしゃいます。
竹林もみごとですよ。
この天龍寺の北門から外に出ると、有名な竹林の小径に入っていけます。この竹林の小径は、長くなりましたので、別のページで紹介します。
天龍寺参拝案内
臨済宗天龍寺派宗務本院 → HP
〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 → 地図
TEL:075-881-1235(8:30 〜 17:30)
FAX:075-864-2424
天龍寺精進料理部 「篩月(しげつ)」
TEL:075-882-9725 (午前9時 ~ 午後5時)
FAX:075-882-9726
年中無休 午前11時 ~ 午後2時営業
参拝・拝観
8時30分 ~ 17時30分(17時30分に閉門)
(10月21日から3月20日までは17時に閉門)
庭園(曹源池・百花苑)
高校生以上:500円 小・中学生:300円 未就学児:無料
諸堂参拝(大方丈・書院・多宝殿)
上記料金に100円追加
拝観不可、10月29日(終日)~10月30日(午後まで)
参拝者用駐車場
8時30分 ~ 17時30分(17時30分に閉門、※10月21日から3月20日までは17時に閉門)
料金、1日1000円
100台
※周辺にも駐車場多し
行事
天龍寺坐禅会
毎月第二日曜日 9時~10時 ※7・8月については7月最終の土日の暁天講座に。2月は休み
費用無料 予約不要
場所:友雲庵
龍門会 ※禅の講義
毎月第二日曜日 10時~11時
費用無料 予約不要、座禅会の引き続いて行われます。
場所:友雲庵
写経
随時受付:9時~15時 終了:17時
(10月21日~3月20日の期間は、受付:9時~14時30分 終了:16時30分)
※事前に電話にて予約・確認
費用:1,000円(別途、参拝料600円が必要)
場所:多宝殿
1月
1日:茶礼・祝聖 修正般若修行
3日:修正般若満散行事
15日:祝聖行事・和韻披露
30日:月例開山忌
2月
1日:開制
3日:天龍寺節分会
3月
15日:涅槃会
4月
8日:潅仏会(花まつり)
15日:雨安居入制大接心
7月
15日:三門施餓鬼・解制
8月
13、14、15日:盂蘭盆
16日:嵐山灯篭流し・川施餓鬼(合同)
9月
15日:後醍醐天皇忌・八幡祭放生会
10月
5日:達磨忌(祖師忌)
15日:雪安居入制大接心
29日:開山毎歳忌 宿忌
30日:開山毎歳忌
12月
1日:臘八大接心 8日:成道会
31日:歳晩渡諷経行事 :除夜の鐘
宿泊
嵯峨野嵐山周辺は見どころ多し、宿泊を推奨します。
嵯峨野、嵐山の宿泊へ お奨めは、京都嵐山温泉 花伝抄
こんにちは
最近、発見したのですが、西側から見た勅使門の築地塀に瓦で「天」と言う漢字が作られています。
天龍寺で一番古い建物みたいですが、当時の職人のイタズラ心で作られたのか、何か意図的に作られたのかは謎ですが、少し見にくいので、隠れ文字みたいにもなっています。
画像を添付出来るなら分かりやすいのですが…
ネットで検索してもでてきませんし、天龍寺さんや京都府文化保護課も京都市埋蔵文化財研究所に問い合わせましたが、知らないとの事でした。
勅使門が1人でも多くの観光客に見られたらなぁと思います^ ^
情報ありがとうございます。私も調べたのですが分かりませんでした。