伊勢神宮には多くの摂社などの関連神社がありますが、中でも内宮(ないくう)と外宮(げくう)は別格です。合わせて二所大神宮と呼ばれることもあるそうです。
外宮は内宮から見て外にあるお宮と言う事で、外宮です。
伊勢神宮の参拝は、内宮より先にこの外宮のお詣りするのが正式とされますね。
外宮は正式には豊受大神宮(とようけだいじんぐう)で、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしています。
豊受の大御神は内宮の天照大御神のお食事を司る神様で、衣食住、五穀豊穣、あるいは産業の神様とされます。
つまり、食物をつかさどる御饌津神で、お稲荷様の別名、あるいは同じような現世利益の神様です。豊受けというのは、富を受けると言うことを意味しているようです。
こう言う言い方をすると身も蓋もないのですが、裕福な暮らしをさせて頂ける神様と言う事なのです。しっかりとお詣りしましょう。
※なお、伊勢神宮は特別なお宮ですので「私幣禁断」ということで、正宮(内宮・外宮)では、お賽銭は不浄なものとして、禁止です。
布が敷いてあるのは不浄なものから神域を守るためでお賽銭を受けるためではありません。
お守りやお飾りやその他の購入、あるいはお賽銭箱の置いてある他の社で纏めて多めにしましょう。
伊勢参りのコース
内宮と外宮の位置関係はこんな感じです。
「外宮先祭(祭典を行う場合のご神託があった事に寄ります)」と言う言葉もあり、外宮を先にお詣りすると言う事ですので、伊勢西インターで降りて、外宮をお詣りし、内宮に向かうというコースになると思います。
又は外宮の後、月夜見宮(地図写真に下に端だけが見えています)、倭姫宮、月読宮などを参拝して、内宮に向かうと言うルートも取れますが、別宮を先にお詣りすることになり、本当は好ましくないとされます。
この場合、外宮の後、外宮の別宮の月夜見宮などを詣り、内宮へ、その後、内宮の別宮の月読宮、倭姫宮などが正しいとされます。
ただし、神宮司庁によるモデルコース1つでは、外宮の後、 外宮の別宮の月夜見宮及び、内宮の別宮倭姫宮に廻っていますので、些細は気にしなくてもよろしいはずです。
こだわって不合理的なルートを通る必要はありません。
同様に、一番先に二見浦の二見興玉神社を詣るのが正式や、一番先に道開きの猿田彦神社にお詣りして旅の無事を祈るなどの諸説があります。
二見興玉神社は、二見ヶ浦で禊ぎをする古くからの慣習があったともされますが、別に榊原温泉は神湯とも呼ばれ、参拝者はまずここで禊ぎをする風習があった時代もあり、その辺りはそれぞれの時代の人々の風習に過ぎません。
それらをすべて気にしていては、参拝そのものが大事業になってしまいます。
大まかには、外宮→(もしくは途中で別宮)→内宮を守ればよろしいと思います。ご神託があったとされるのは、祭典は外宮を内宮の先にということだけなのですから。
基本は、外宮 → 内宮、ただし、ご神託も祭典の場合を言っていますので、逆でも構わないと思います。
大まかにいくつか参るのであれば、外宮 → 月夜見宮 → 倭姫宮 → 猿田彦神社 → 月読宮 → 内宮が、合理的に廻れます。
※しかし、もっとも重要なことは、インスピレーションや自分の想った感覚でよろしいです。(神社の参拝というのは、詣る神社も含め、そもそも、そういうものです。)
また、内宮だけをお詣りするなど、いけないとされる片方だけの参拝の「片参り」の方も見えますが、お詣りしないよりはましということだと思います。
ただし、個人的な事を含めた現世利益の外宮、天下国家の内宮と言う事を押さえて置いてくださいね。特に内宮は個人的なお願いは厳禁とされます。
内宮については、内宮をご覧下さい。
伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)
外宮は駐車場は多いので、トップシーズンで無ければ普通に駐められると思います。また、北御門広場に臨時駐車場が開設される場合もあります。
表参道へ廻らずとも駐車場から参道が延びていますので、そのまま正宮へいけます。
その後、場合に寄っては、境内別宮の多賀宮、土宮、風宮にお詣りする事となります。
車椅子の方は、衛士詰め所で電動車椅子が借りられます。手動もあります。
由緒書きです。
駐車場から延びる参道です。
神馬の御厩(みうまや)があります。今日は神馬はいませんね。
古殿地
参道は現在、古殿地の横をかすめて通ります。
古殿地です。次の式年遷宮ではここが正殿になりますね。古殿地と言いましたが、次のですから、本当は新御敷地と言います。
古殿地は移ってから半年だけ言う言い方だそうですが、一般には古殿地で通ってますね。
小さな社が見えますが、この中には、心御柱と言う以前の正殿のご神体の位置を示している柱があります。
次ぎに移った時も、この位置にご神体を正確に合わせる必要があるからです。
正宮
外宮のご正殿です。
もうすこし近寄っていますが、鳥居の中では写真撮影は出来ませんし、参拝の迷惑になりますのでここまでです。
三ツ石
こちらが、「三ツ石」です。3つの石が他の石に囲まれています。
多賀宮や風宮へ行く方と、正殿へ行く方との分かれ辺りにあります。しめ縄で囲んでありますので、すぐに分かります。
昔、宮川の支流が流れていた名残でもあります。
三ツ石は、この前で御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)や奉仕員を祓い清める式年遷宮の川原大祓(かわらおおはらい)が行われる、神様が居られる神聖な場所です。
写真でもお賽銭が投げ込んであったり、手をかざす人がいますが、不敬なことになりますので、ご注意下さい。
手をかざして熱を感じた人や麻生太郎が手をかざして熱を感じたと言う逸話が伝わっていますが、麻生内閣は1年も持たず終了したことでも分かるように、好ましい事を招きません。
正しくは、ご正殿と同じように二拝二拍手一礼で参拝する場所です。社のない神社と心得るのが正解です。
多賀宮
多賀宮(たかのみや)へ向かいます。
豊受大御神の荒魂(あらみたま)をお祀りしている所です。
荒魂と言うのは、神様の荒々しい側面、荒ぶる魂、つまり力を表します。正殿に祀られている、和魂(にぎみたま)は恵みや優しさを表します。
神道には、一霊四魂説があり、他に幸魂(さちみたま)は幸せや愛を表します。奇魂(くしみたま)は不思議な神通力や智を表します。
それぞれ、荒御魂、和御魂、幸御魂、奇御魂と表記する場合もありますが、神格は4つの御魂によって形付けられます。
大きな神社には荒魂をお祀りしている別宮がありますが、神様の力強い側面ですので、おろそかにしないことをお奨めします。
多賀宮です。
外宮でも、豊受大神の荒魂をお祀りしている多賀宮は別格の別宮ですので、正殿の次ぎにお詣りするのが基本的には相応しいです。
側面と、多賀宮の古殿地です。
土宮
こちらは、土宮です。
簡単に言うと、土地や洪水から守る神様です。
風宮
風宮です。風雨を司る級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸辺命(しなとべのみこと)をお祀りしています。
簡単に言えば、風雨から守る神様です。
土宮も風宮も五穀豊穣のために、洪水や風雨から守る必要があると言う事なのでしょうし、かつて宮川の支流があったことも関係しているのかもしれません。
せんぐう館
資料館のせんぐう館です。
訪れた時は台風被害により休館になっていました。
※令和元年11月7日(木)に、リニューアル開館になるそうです。
外宮参拝案内
外宮
三重県伊勢市豊川町279 → HP
問い合わせ先
神宮司庁
〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
電話(代表) : 0596-24-1111(午前8時30分~午後4時30分)
Fax: 0596-27-0520
宿泊
伊勢・二見の宿へ、
お奨めは、鳥羽観光と組み合わせて、鳥羽の宿へ、または、志摩や賢島まで足を伸ばして、志摩・賢島の宿へ。
伊勢市内でお奨めなら、伊勢外宮参道 伊勢神泉、上質の美味とおもてなし。オーシャンビューの宿 旅荘 海の蝶、伊勢の宿 紅葉軒、少しお高いですが、AUBERGE YUSURA(ゆすら)など。
以前、かんぽの宿だった 伊勢かぐらばリゾート 千の杜もリ設備の割には、リーズナブルでよろしいかも知れません。
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